HANGA(香彩堂)

HANGA 雪 のお香レビュー

香彩堂のHANGA、雪。公式には、"舞い落ちる雪をイメージした香り。緑茶、ローズ、ジャスミンを調合しました。" の説明区。苦味のない緑茶と、ほんのり爽やかな花の香りのお香。 火を付けると漂う、スッキリとした爽やかなお茶の香り。そこに程よく、花の香りがのっている。雪、か。雪を、パウダリーやミントではなく、緑茶とジャスミンで表現するのは、なかなか風情がある。これは、良い。まず、当然ながら緑茶の香りを感じる。苦味はあまり無く、甘めの茶葉を使ってそうな緑茶だ。そこに少し、花がのっている。華やかな感じではなく、落ち着いていて爽やかだ。ローズはわからないが、ジャスミンがいる。お茶と花の割合的には、お茶7: 花3くらい。ちゃんと花を感じるけど、ジャンル的には緑茶、という印象。ジャスミングリーンティー、とも言えるかもしれない。うん、古臭さがなく、モダンすぎるわけでもない、和の緑茶のお香だ。雪をイメージしたとのことだが、涼しげなイメージなので夏にも合う。爽やかな緑茶系がお好きな方に、オススメ。
HANGA(香彩堂)

HANGA 金魚 のお香レビュー

香彩堂のHANGA、金魚。公式には、"涼しげに泳ぐ金魚をイメージした香り。抹茶、ローズ等を調合しました。"の説明区。涼しげにとのことで、おそらく夏のお香なのだろうが、どんな香りなのだろうか。また、同シリーズの雪も、緑茶とローズを配合していて内容が似ているので、どう違うかも気になる。火を付けてみると漂う、苦味の少ない抹茶の香り。落ち着いたお茶のお香だ。モダンとまではいかないが古臭さがなく、でも日本的だ。複雑さもなく、結構ナチュラル。うん、日本人に馴染みある、良き香りだ。深ぼってみよう。抹茶の香りとのことだが、抹茶の苦味はあまり無く、抹茶にしてはスッキリ目のほうだ。ローズの香りやその他の香りは、ほとんどわからない。わからない程度に華やかさをプラスして、古臭くささをなくしているのかもしれない。そして、前述の同シリーズの雪は、ジャスミンが配合されているので、ジャスミングリーンティー的なまとまり方をしていたのに対して、こちらは日本茶だ。同じお茶系ということで、もちろん似ているのだが、ちゃんと違いを感じた。夏以外でも薫けそうだし、少なくとも嫌われることはなさそうだ。人やシーンを選ばない香りなので、...
薫玉堂

薫玉堂 奈良一七一六 のお香レビュー

お香の老舗、薫玉堂の奈良一七一六。公式には、"森の中の山寺にいるような奥ゆかしい香りで、落ち着きたい時や就寝前のひと時にもおすすめです。"の説明区。火をつけると漂う、甘くて奥ゆかしい古風な寺院の香り。あ〜、奈良か、なるほどね。これは、奈良っぽい。そうか、確かに奥ゆかしい。まず、甘い香りがいる。ただの白檀ではなく、白檀以外の甘さもある。アニスなのか、アンバーなのか、安息香なのか…バルサミックでバニラのような、こっくり感がある。土台に、ほんの少しスパイシーなウッディーがいるので、甘すぎることはない。そして、全体として、渋い。いや、古風といったほうが良いだろうか。おばあちゃんちやお寺を連想する。とにかく依然、和を貫いている。同じ白檀系の和のお香でも、例えば堀川なんかは上品な印象だが、こちらは良い意味で古風で奥ゆかしいのだ。この奈良一七一六を薫いた後の部屋に入ったら「あれ?お寺?おばあちゃんち?」って感じる人はいるのではないだろうか。故、個人的には、服などに薫きしめるにはちょっと渋すぎると感じる。だが、香り自体は日本人に染みついた何かを感じる。懐かしさを感じる、なかなか癖になる。秋に薫きたくな...
HANGA(香彩堂)

HANGA 梅 のお香レビュー

香彩堂のHANGAシリーズ、梅。公式には、"梅の花をイメージした早春の香り。ラベンダー・アンバー等を調合しました" の説明区。甘く、そして日本的で、古民家のような懐かしさを感じる香り。梅の花のお香は何種類か試したことがある。どれももちろんメーカー毎の個性があったが、主張の激しくない花の香りとパウダリーさがあるというとろこは共通だ。さて、このHANGAシリーズの梅は、どんな個性があるのだろうか。早速火を付けてみると、甘くて懐かしさのある線香の香りが漂ってきた。これは… 梅の花の香りではないぞ。日本の古き良き家屋感や、仏壇感もある、古き良き和の線香だ。お盆などお墓参りのときに漂ってきてもおかしくはない。その中でも甘みのある方で、わりとこっくりしている渋めな香りだ。おばぁちゃんち感がすごい。悪く言えば古臭いのだが、よく言えばほっとする落ち着く香り。あぁ、これはいい、私はかなり好きだ。深ぼっていこう。前述の通り、梅の花の香りは感じない。そもそも梅の花の香りがあったとしても、ラベンダーやアンバーを調合した時点で、負けてしまうだろう。真っ先に感じたのは、わりとこっくりとした、和で複雑な甘さだ。公式...
HANGA(香彩堂)

HANGA 朝涼 のお香レビュー

四季折々の香りを表現した、香彩堂のHANGAシリーズ、朝涼。公式には、"メントール、ムスク等を調合した爽やかで瑞々しい香りです。"の説明区。甘いムスクとほんのりメントール感のあるお香。香彩堂のお香はもちろん使用したことがあるが、このHANGAシリーズははじめてだ。約1000円で90本程度、結構リーズナブルなので、気に入れば普段使いしたい。無メーカーの同価格帯のものだと、いささか不安感があるが、香彩堂さんなので、ちゃんと一定ラインのクオリティはクリアしてくれているだろうと期待。世の中には色々なムスクフレグランスが存在するが、なんだかメーカーによって結構バラツキがあるように感じる。あまり甘くない爽やかなものもあれば、パウダリーで甘いものもある。ネットで調べるに、動物的な甘くてあたたかみのある清潔な香りと出てくるが、言葉では表現し難い。そして、朝涼という言葉は、夏の朝の涼しい頃のことという意味だが、果たしてそれを、ムスクの香りでどう表現しているのだろうか。火を付けてみると、甘い香りが漂ってきた。甘すぎるわけではないが、朝涼の名からすると、思ったより甘めだ。パウダリーさはあまり感じない。フルー...
古都の香(香彩堂)

香彩堂 桐箱 梅香 のお香レビュー

香彩堂、桐箱シリーズの梅香。公式には、"早春の梅の爽やかさと甘酸っぱさをイメージした香り。ライラック、クローブ等を調合した香り。"の説明区。甘酸っぱい梅の果実や花の甘みのある、爽やかだが濃厚で、上質な香り。新宿の伊勢丹で、お香のポップアップが開催されていた。ついワクワクして、食い入るように見る、嗅ぐ。その中で気になったのが、この梅香だ。桐箱の展示品の香りを嗅いだとき、酸味のある梅の香りがして、とても気になった。梅のお香はこれまでも薫いたことはあるが、梅の実ではなく、どれも梅の花の香りだった。梅の実の香りがするお香はあるのだろうか?前々からそう気になっていたのだが、この梅香の桐箱の香りからは、梅の実の酸味を感じたのだ。これは良さそう、早速勢いで買ってしまった。家に帰り、子供のようにワクワクしながら箱を開けてお香を取り出す。早速火をつけると漂う、梅の酸味と柔らかな梅の花の香り。おお、わりと濃厚だ。香り自体は重たくはないが、密度が高いというか、香りがしっかりしている。上質だ、さすが桐箱シリーズ。いや、ただのプラシーボなのか?それでも良い。お香は、雰囲気込みで楽しむものだから。まず、梅の果実の...
無印

無印 ウッディーアンバー のお香レビュー

無印のお香、ウッディーアンバー。公式には、"アンバーの香りを中心にブレンドしたスパイシーで複雑な香り" の説明区。しっかり複雑で、塩気や苦味を感じる落ち着いたアンバーの香り。アンバーというと、香水のラストノートに使われているイメージだ。香水のラストノートは総じて甘いので、アンバーは甘い香りだと認識している。実際、アンバーの香りはバニラの様な甘さがあると言われる。さて、香水ではなくお香のアンバーは、どんな香りなのだろうか。火を付けてみると、塩気の効いた複雑な香り。木のような、スパイスのような、甘みがあるようなないような… 複雑でオリエンタルな香りだ。香水のアンバーの香りとは結構違うのだが、それでも「あ!アンバーだ!」と素直に感じた。やはり香水とこちらのアンバーに、共通点のようなものがある。なるほど、これがアンバーなのか。甘味はあるが、思ったよりは甘くなく、複雑だ。これは、どうやって言葉に表そうか。まず、意外にも、そんなには甘くない。アンバーにはバニラの様な甘さがあるらしいが、バニラ香は、複雑な香りに隠れてほとんど意識できない。甘みはある、木の温かさもあるが、いずれにしろ香水のようなくどい...
薫玉堂

薫玉堂 宇治の抹茶 のお香レビュー

お香の老舗、薫玉堂さんの、宇治の抹茶。公式には、"茶樹が織りなす縞模様が山の端まで続く、宇治の茶畑の美しさ。あわただしい日常にひと息つける、抹茶のふくいくたる深い薫りです。"の説明区。苦味や茶畑の葉っぱ感も感じるような、日本人の心に訴えかけてくる大人の抹茶。日本人にとって馴染みの多い、抹茶。現代人は、抹茶ラテや抹茶チョコのように、抹茶に甘味をつけたがる。さて、この薫玉堂の宇治の抹茶の香は、どんな味がするだろうか。火を付けてみると、苦味のある大人な抹茶の香りが漂った。そうだ、本来抹茶ってこんな感じだ。たてたばかりのお茶のような、ちゃんとした苦味のある、甘くない抹茶だ。そして、立てたばかりのお茶かと思いきや、少しだが葉っぱっぽさも感じる。なるほど、和室で立てるお茶ではなく、茶畑をイメージしたお香というのも頷ける。結構大人の抹茶だ。子供がいたら「苦い!」と言われそうだ。だが、普段コーヒーやお茶を飲んでいる私は、これは嫌いになれない。甘いお香の合間に薫いたりと、箸休めに良さそうだ。自宅に和室や縁側があったら、晴れた爽やかな日の午後にでも薫きたい。甘くないお香を探している方、大人な抹茶を楽しみた...
薫玉堂

薫玉堂 音羽の滝 のお香レビュー

お香の老舗、薫玉堂さんのお香、音羽の滝。公式には、"清水さんの滝つぼに流れ落ちる東山三十六峰に連なる音羽山の湧水。千年以上もとぎれることのない、清らかで涼やかな流れを連想させる薫り。" の説明区。京都の清水寺にある音羽の滝をイメージした、シリーズの中でも人気のお香。トラディショナルの中に、爽やかさや華やかさを感じる香り。薫玉堂というと、音羽の滝というイメージがあるくらい、薫玉堂の中では有名なお香だ。なので、外れる心配はしていないが、どんな香りかはある程度知っておきたい。そう思い、口コミを漁るのだが、"爽やか" というワード以外、いまいちそれっぽいワードが出てこない。とりあえず、薫いてみるのが早そうだ。火を付けると漂う、トラディショナルですっきりしていて、それでいてしっかりした香り。あぁ、良い、くどくなく、爽やかさももっていて、ほんのり甘みや華やかさもある、日本人受けする香りだ。そして確かに、これは言葉にしにくい。軒並み抽象的なレビューばかりなのも頷ける。まず、ベースになっているのは、薫玉堂さんの他のお香と同じ、薫玉堂さんらしい芯のあるお香感や華やかさだ。モダンさもあるが、トラディショナ...
薫玉堂

薫玉堂 三室戸の蓮 のお香レビュー

お香の老舗、薫玉堂の、三室戸の蓮。公式には、"静かな夏の朝、風に誘われ音をたてるように咲く優美な蓮の花。天に向け開いた掌に抱かれるような、穏やかで清廉な薫りです。" の説明区。蓮の爽やかさや瑞々しさを、お香ならではのあたたかさでまとめた、薫玉堂らしい花のお香。蓮の香りを直接嗅いだことはないが、先日試した蓮のお香がとても気に入った。こちらも蓮のお香ということで、期待が膨らむ。火を付けてみると、漂うほんのり甘い花の香り。ベースになっているのはもちろん、薫玉堂さんらしいお香感のある甘く華やかな花の香りだ。そこにちゃんと、蓮の瑞々しいさや透明感を感じる。蓮の花は直接は嗅いだことがないが、先日試したXiang Doのロータスと、ちゃんと共通点がある。「あぁ、蓮っていうのはこういう香りなのね」と納得した。ここはあえて、趣向の全く違うXiang Doのロータスと比較してみる。Xiang Doのロータスは、蓮の香りの瑞々しさや透明感をピュアに表現した感じで、お香感はあまり感じない。対してこちらは、蓮の香り特有のの瑞々しさや透明感はあるが、お香特有のまったり感的なものがある。対比でいうと、ストレートティ...