松栄堂さんのカジュアルラインXiang Do(シァンドゥ)のアガーウッド。
公式には、”森の精霊に守られて―熱帯雨林に育まれた沈水香木、穏やかな香りに包まれる。”のキャッチフレーズ。
甘さはなく厳かで、Xiang Doらしいマイルドな沈香の香りだ。
白檀同様、アガーウッド(沈香)も、商品毎に結構それぞれ香りが違うように感じる。
「一体何が正解なのだろう?」といつも思う。
ネットで調べるところ、「甘味、辛味、苦味、酸味、鹹味(塩辛さ)といった五味が複雑に絡み合った独特の香」と表現されているが、言葉だけではさっぱり想像がつかない。
このXiang Doシリーズは、他の香りも軒並み質が良く、良い意味で個性や味付けが少ない。
「もしかしたら、Xiang Doの沈香は、一つの正解を示してくれるのではないか?」と期待を込めて薫く。
火をつけると漂う、厳かな香り。
「あ〜なるほど、なるほどね」と、アバウトすぎる感想で申し訳ないが、沈香の香りとして納得のいく香りだ。
以前、安物だが沈香の香木を薫いたことがあり、それにちゃんと近い。
白檀や沈香のお香は、その厳かさを表現するために、丁子などのスパイスを用いて、いわば誤魔化しているように感じるものがある。
沈香の価格が高騰しているので、致し方ないのだが「それだとカレーなんだよなぁ…」と、複雑な気持ちになる。
だが、このお香は、ごまかし感がない。
まぁ沈香自体がスパイスに似ているので、カレー感が全くないわけではないが、カレーではない。
五味を主軸に解釈してみる。
まず、甘さはほぼないように感じる。
少なくとも、いわゆる “甘やかなお香” のような甘さは、皆無。
五味に甘さが含まれているというプラシーボ効果のせいか、奥の奥の方にいるような気もしなくもないが、他の五味に隠れていてはっきりとはわからない。
酸味も、よくわからない。
少なくても、万人がイメージする酸味… 例えばフルーツなどの食べ物のような、わかりやすい酸味はない。
臭いという意味ではなく、あるとすればどちらかというと、体臭的な酸味の部類だろう。
一方で、他の五味である辛味苦味塩辛さは、存在する。
複雑すぎて、それぞれをどう解釈したらいいのかはわからないので、細かくは説明が難しいが。
無理矢理言葉にすると、カレーから甘さと辛さを引いて、木の香りを足した香り、といったところだろうか。
と説明すると、あまり良い香りに聞こえないかもしれないが、そんなことはない。
厳かな寺院をイメージさせる、渋めの香木の香りだ。
集中力の上がりそうな香りだ。
甘い香木系の香りに飽きた方に、オススメしたい。
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