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薫玉堂

薫玉堂 松尾の苔 のお香レビュー

お香の老舗、薫玉堂のお香、松尾の苔。公式には、"一粒の雨の雫さえも深い緑に染める静寂の庭。ビロードの絨毯を思わせる、滑らかな苔の湿った温かい土の薫りです。" の説明区。湿った苔や土を、少しグリーンでウッディーにまとめた、和を感じさせるお香。苔の香りを使用した香水なら使っていたことがあるが、苔の香りのお香ははじめだ。使っていた香水は、他の香料も複雑に調合されていて、苔の感じは正直あまりわからなかった。苔のお香、それは良い香りなのか…?早速取り出してみる。薫く前の香りは意外にも、沈香のようなスパイシーさを感じる。もしかしたら、スパイス系なのだろうか?ウッド系なのだろうか…?恐る恐る火を付けてみると… 大地や自然を感じさせる香りが漂う。お茶のようなシダーウッドのような香りもして、日本人的な香りの構造で、思ったよりも親しみやすい。そして、奥に湿った苔や土のような香りがする。なるほど、これが苔の香りか。苔の香りをしっかりと嗅いだことはないが、何故かわかる、苔だ。少し生々しい自然の苔を感じる。香水系のフレグランスの苔=モスの香料は、色々な香料の中の一つとしてニュアンスを作っている程度なのに対し、こ...
薫玉堂

薫玉堂 大原のコスモス のお香レビュー

お香の老舗、薫玉堂の、大原のコスモス。公式には、"大原の和らいだ太陽の光を存分に浴びて、風に揺れるコスモス。澄んだ秋空の下、野原いっぱいに淡く甘い薫りが広がります。"の説明区。秋口に感じる切なさにも似た、淡くてほんのり甘酸っぱい花の香り。コスモス、日本名で秋桜。コスモスの開花時期は結構長く、秋以外にも咲いているのを見かけたことがある。たまに見かけては、つんできて花瓶に刺すのだが、特段香りを感じたことはない。春に咲く桜の花も、実際の花からはほとんど香りがしない。よって、桜フレグランスは、桜をイメージして作られたものか、あるいは桜餅やチェリーの香りを再現したようなものが多い。コスモスの香りもおそらくそれと同様、生の花を再現したものではなくイメージによるところが大きそうだ。薫玉堂の醍醐の桜は試したことがあるが、とても良い香りで、まさに桜を想わせるものだった。はたして、こちらはどうだろうか。火を付けてみると、漂う淡くてほんのり甘酸っぱい花の香り。あぁ、これは良い香りだ。花の甘さはあるが、ほんのり甘酸っぱさがあり、それが秋口の切なさを感じさせる。ベースになっているのは、いわゆる癖のない花のお香で...
薫玉堂

薫玉堂 横浜一八七二 のお香レビュー

お香の老舗、薫玉堂の、横浜一八七二。公式には、"異国情緒あふれる港町のノスタルジックで清々しい薫り。"の説明区。墨汁のような、レザーのような、動物のような… 独特な異国の香り。薫玉堂さんのお香は、オリジナリティのある花の香りか、地名と年代をイメージしたものか、どちらかが多い。花の香りは大体どれも好みで、フローラル系があまり得意ではなかった私が、買い集めようとしているくらい、良い香りだった。さて、知名の方はまだあまり手付かずの中、この横浜一八七二はどうだろうか。早速火を付けてみると…嗅いだことのない、独特の香りが漂った。ファーストインプレッションは「ジンギスカンだ!」。な、何だろう… この香りは…嗅いだことのない系統で、戸惑う。墨汁やレザーがいる気がするが、それよりも強く感じたのは、動物感。ラム肉だ、ジンギスカンの臭いだ。そんなわけあるか?と思い、もう一度試したが、私の鼻にはどうしてもジンギスカンに感じる。匂いの解釈は人それぞれだが、私にはそう感じた。"異国情緒溢れる" というのは、ジンギスカンなのか…?申し訳ないが、私にはダメな香りだった。そもそも私は、墨汁やレザーのフレグランスの良さ...
薫玉堂

薫玉堂 花園の紗羅 のお香レビュー

お香の老舗、薫玉堂さんのお香、花園の紗羅。公式には、"朝に咲き夕べに落ちる、その儚さを愛でる沙羅。風に消える花色のたおやかで清純な薫りです。"の説明区。どこか甘酸っぱさを感じるような、甘くて清純さのある花の香り。薫玉堂さんのせいで、苦手だった花のお香にハマりだしている。薫玉堂さんの花のお香はどれも凄く素敵で、この花園の紗羅にも期待が高まる。火をつけると、はじめは少し線香感があったが、それはすぐに消えて、甘い花の香りが漂った。なんて、素直な花の香りなんだ。紗羅の花の香りは生では嗅いだことはないが、これは良い香りだ。そして、薫玉堂さんの花のお香は、パウダリーだったり葉のニュアンスがあったりで、良い意味でオリジナリティがあるが、これはわりと素直に、"花"だ。花の香りはどれも甘いと表現されることが多いが、この花の甘さは、"素直"だ。パウダリーな甘さや、砂糖菓子のような甘さとは違う、花の甘さのイメージに一致する甘さだ。甘さ自体くどくはないが、花としては甘い花の部類に入るだろう。そして、奥の方に、甘酸っぱさのようなものが。フルーツっぽいわけではないが、甘酸っぱさを微かにだが感じる。総じて、確かに"...
その他

灯 TOMORI パロサント のお香レビュー

amazonトップレビューの灯 TOMORIシリーズ、パロサント。パロサントの香木を薫いた時の香りそのままの、再現度が高くて濃い香り。無印良品のシダーウッドに刺激されて、樹木系の香りを集めてみたくなった。そういえば、以前パロサントの香木を持っていたが、好みの香りだったことを思い出す。早速amazonで検索したところ、この灯 TOMORI パロサントが引っかかる。パロサントのお香自体がそこまで種類が多くない中、口コミも悪くなく、太め短めな私好みの感じだった。メーカーは何処だろう?と、気になって確認してみると、灯 TOMORIだった。灯 TOMORIシリーズは、他に白檀と沈香を試したことがあるが、あまり好みではなかったため、購入するかどうか一瞬悩んだが、丁度セール中だったこともあり、購入を決めた。届いたら、早速箱を開けてみる。なんだかすごくスパイシー。恐る恐る火をつけて見ると…ファーストインプレッション「あ!パロサントだ!」だった。確かにパロサントだ、再現度は高い。パロサントの香木は、産地によって香りが変わるらしい。私が持っていたのはエクアドル産で、フレッシュな柑橘系やミントを感じさせるよ...
Xiang Do(松栄堂)

Xiang Do シトラス のお香レビュー

松栄堂のカジュアルライン、Xiang Doのシトラス。公式には、"地中海への想い-オレンジ・ライム・レモン…柑橘系の果物と葉をブレンド。" の説明区。柑橘系の酸味は感じず、甘いデザートのような香りだった。Xiang Doシリーズの柑橘系としては、グレープフルーツが再現度高めで、リピート購入したばかりだ。なので、こちらのシトラスにも期待。と思って、火を付けたのだが…漂ってくるのは、甘いデザートのような香りで、「柑橘系はどこ?」状態。公式の謳い文句にある、葉の香りもしない。植物や果物の類は、とりあえず見当たらない。Xiang Doシリーズのパロサントも、香木と似つかない甘いバニラのような香りだったが、こちらも同じような傾向で甘い。軒並みイメージ通りの香りのXiang Doシリーズで、何故この2種はこうなってしまったのだろうか…。パロサント同様、甘いグルマン系の何かを求めているなら、ありかもしれないが、少なくとも柑橘系を求めて買う人には刺さらないだろう。ネットに、「薫いてガックリしてさようならした」なんて口コミがあったが、その意見に納得だ。なんだかどっかで嗅いだことあるなぁと思ったのだが、H...
Xiang Do(松栄堂)

Xiang Do ローズ のお香レビュー

松栄堂のカジュアルライン、Xiang Doのローズ。生の薔薇を感じさせる、ピュアで瑞々しい香り。公式には、"その甘やかな余韻-みずみずしい朝摘みの薔薇、芳醇な甘さ。" の説明区。薔薇のフレグランスには、あまり良い印象はない。その特徴的な香りと、合成香料が相まってか、いわゆる芳香剤臭さを感じるからだ。ちゃんとしたお高い生花の香りはあんなに良いのに、市販の薔薇のフレグランスは、なんだか安っぽい薔薇を再現した感じになっていて、残念な気持ちになる。Xiang Doシリーズは再現度が高いものが多いので、このローズのお香には期待したいところ。火を付けてみると…キツすぎない瑞々しい生花の薔薇の香りが漂う。これはいい、期待通りだ。今まで嗅いだ薔薇のフレグランスの中で、1番再現度が高い。上述の通り、ちゃんと生花の香りだ。乾燥していない、瑞々しさを感じる花の香りだ。変な味付けも芳香剤臭さもない、ピュアな香りを再現している。そして安っぽいただきついだけの花ではなく、上質上品な花を再現しているようなところも、とても好印象だ。Xiang Doシリーズのロータスにも同じような瑞々しさを感じたが、この生花のような瑞...
薫玉堂

薫玉堂 北山のバラ のお香レビュー

お香の老舗、薫玉堂のお香、北山のバラ。薔薇の花だけでなく、葉や茎の香などの青さも感じる、オリジナリティのある薔薇の香り。公式には、"ビロードのような花びらに朝露を抱き、あでやかに咲きこぼれる北山のバラ庭園。甘く美麗な花の香りと活き活きとした葉や茎の薫りに酔いしれます。" の説明区。薔薇のフレグランスは元々得意ではない。芳香剤臭くてきつく感じるからだ。と思っていたが、お香の薔薇はなんだか悪くないな、なんて最近思い始めていた。なので、この北山のバラにも期待を込める。火を付けてみると、薔薇の香りが漂ってきた。良い香りだ、良い香りなのだが、ただの薔薇の香りではない、なんだか複雑だ。花の甘々しさはなく、若い果物のような酸味にも似た香りが、薔薇の香りと凄い複雑に絡んでいる気がする。一見何を模したのかわからなかったので、公式の説明区を確認したところ、葉や茎の香りとあった。確かに、葉や茎の青さ、植物のちょっとした酸味といわれたら、そうだ。全体として、なんというか、少しノスタルジーで野生の青さを感じる薔薇、といったところだろうか。これは面白い、こんなにオリジナリティのある薔薇フレグランスは、あまりないの...
Xiang Do(松栄堂)

Xiang Do ラベンダー のお香レビュー

松栄堂のカジュアルライン、Xiang Doのラベンダー。公式には、"心のやすらぎ-淡紫に霞むラベンダー畑。甘さをおさえた新鮮な香り。" の説明区。ラベンダーっぽさはなく、甘いデザートのようなお香。Xiang Doシリーズはほとんど試したが、再現度が高いものと、低いもののギャップが結構激しいと感じる。基本的には再現度高くてピュアでナチュラルで、好印象なのだが、ハズレはどれも甘い。何故か、甘い。そしてこのラベンダーも、甘い。ラベンダーというと、甘くないハーブっぽい花の香りを思い浮かべるが、これは全くラベンダーがいない。強いわけではないが、デザートっぽい甘い香りしかしない。Xiang Doシリーズの中で再現度が低いもの… パロサント、シトラスあたりも、結構全く同じような甘いお香だった。なので最初、シトラスと間違えたのかと思った。う〜ん… 何故、甘くなってしまうのだろうか…。救いなのは、甘いだけで決して臭いわけではないというところだ。なので、仮に買った後イメージ違いがあったとしても、まぁデザート代わりに薫くかぁ〜という具合の方向転換は可能だと思う。ラベンダーの癒しを求めている人には向かないが、...
Xiang Do(松栄堂)

Xiang Do ヒノキ のお香レビュー

松栄堂のカジュアルライン、Xiang Doのひのき。甘さのない、すっきりしたピュアなひのきのウッディーな香り。公式には、"心静かに、まっすぐに―美しい木の空間、清涼感あふれるウッディな香り"の説明区。Xiang Doシリーズは、結構試したので、大体その傾向が見えたところだ。全体的に、トラディショナルなお香感の少ない、ピュアでナチュラルな香りが多いが、これはどうか。パロサントが公募の香りと全然違い、残念感があったので、これはどうか。火を付けて見ると、Xiang Doシリーズらしいピュアでナチュラルな檜の香りが広がる。檜風呂に入った時の、まさにあの匂い。変な味付けもなく、再現度が高いがくどくない香りで、安心感を抱いた。いわゆる日本のお香の、トラディショナルな線香の香りがないので、純粋な檜を楽しめる。逆に、お香として味付けというか、お香ならではのあたたかさを求めているのであれば、少し違う。欠点をいうのであれば、他のXiang Doシリーズに比べると少し煙たさを感じ、焚き火感があるところだ。私は焚き火は大好きだが、焚き火感のあるお香、というのはちょっと微妙かな。なんだか簡素な感想になってしまっ...