
薫玉堂 奈良一七一六 のお香レビュー
お香の老舗、薫玉堂の奈良一七一六。公式には、"森の中の山寺にいるような奥ゆかしい香りで、落ち着きたい時や就寝前のひと時にもおすすめです。"の説明区。火をつけると漂う、甘くて奥ゆかしい古風な寺院の香り。あ〜、奈良か、なるほどね。これは、奈良っぽい。そうか、確かに奥ゆかしい。まず、甘い香りがいる。ただの白檀ではなく、白檀以外の甘さもある。アニスなのか、アンバーなのか、安息香なのか…バルサミックでバニラのような、こっくり感がある。土台に、ほんの少しスパイシーなウッディーがいるので、甘すぎることはない。そして、全体として、渋い。いや、古風といったほうが良いだろうか。おばあちゃんちやお寺を連想する。とにかく依然、和を貫いている。同じ白檀系の和のお香でも、例えば堀川なんかは上品な印象だが、こちらは良い意味で古風で奥ゆかしいのだ。この奈良一七一六を薫いた後の部屋に入ったら「あれ?お寺?おばあちゃんち?」って感じる人はいるのではないだろうか。故、個人的には、服などに薫きしめるにはちょっと渋すぎると感じる。だが、香り自体は日本人に染みついた何かを感じる。懐かしさを感じる、なかなか癖になる。秋に薫きたくな...